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93年ドクター・ドレーのアルバム『ザ・クロニック』に大々的にフィーチャーされ、注目を浴びるようになったスヌープ・ドッグ。彼の鼻にかかった声から繰り出されるネバついた言葉の運び方は、スリック・リックの飄々としたラップ・スタイルから影響を受けたものだ。まるで予測のつかないその変幻自在なフリーキー・フロウで、多くのリスナーを病みつきにした。そして、このスタイルや恩恵を真空パックのように封じこめたのが、93年のデビュー・アルバム『ドギースタイル』である(かの<DEATH ROW>からリリース)。メロディアスでありながら不穏な空気を漂わせたアクの強いGファンク・サウンドを充満させ、また、スペーシーに鳴り響くレイドバック・サウンドの不気味な雰囲気は、彼のチンピラ然とした佇まいをより一層際立たせる。ビッグ・セールスを記録したこのアルバムは、後にラップ・クラシックとなるが、続く96年の『ザ・ドッグファーザー』では別のプロデューサーの起用がアダとなり、思うような結果は得られなかった。
その後もマスター・P主宰の<NO LIMIT>に移籍するものの、作品はチキチキしたビートとの違和感ばかりが取り沙汰され酷評されてしまう。――とは言ってもスヌープのメロディアスなラップの魅力は存分に発揮されているのだが。
そして<NO LIMIT>を離れたスヌープはその後も着々とリリースを重ね、シーンの重要人物というステイタスを磐石なものにしていく。なかでもネプチューンズとタッグを組んでこなす仕事はその相性においても、革新性に富んだサウンドにおいても素晴らしいの一言に尽きる出来だ。さらに04年には、かつてネイト・ドッグ、ウォーレン・Gとともに組んでいたレジェンダリー・グループ=213のリユニオンを果たすなど、このヴェテランはますます勢いづている。
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